うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

著者自身が「うつ病」というトンネルから「抜け」た経験をもとに、同じようにうつ病から回復した人たちの例がたくさん紹介されたコミック本。


うつ病のきっかけ(トリガー)となるものは、気温差や気圧の差といった些細なものもあること、真面目すぎる性格や被害妄想的な考え方など、よく耳にするが、ホントわたしの母には当てはまりすぎるほど当てはまってるなあと思いながら読みました(わたしの母はうつ病


この本の中にも、「葬式と結婚式は休みなさい」と医者に言われて、「そんな発想、あるの!?」って気が楽になった、というエピソードがありましたが、
真面目すぎたり、悲観的な母に「あれもこれももうやらなくていいよ」「うまくいくから大丈夫だよ」と言っても、なかなか頑固だから(頑固な故、うつ病になるんだろう)聞く耳持ってくれなかったりする。

医者に言われたら、素直に耳を傾けるのだろうか。私のプレゼン力不足なのだろうか。ずっとわからないでいる。

ただ、この本の中に、年と共にうつ病は解消すると書いてはいたが「老人性うつ」っていうのもあるって聞くし、なかなかこの「うつ」というやつと縁を切るのは難しそうなのでした。

「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法―美肌には化粧水もクリームもいりません

宇津木式スキンケア。石けんとワセリンしか使わないスキンケアなんて、ありえるの!?と、気になって買ってみました。

この頃、真面目にスキンケアしてるのに、おでこがカサカサで困っていました。

 

しばらく試してみて、イイカンジだったら、化粧品やメイクアップの道具はすべて捨てちゃおうかなって、思います。

 

それから1年半・・・

洗顔は石けんのみ、下地とファンデ、アイブロウブラシも石けんで落ちるものしか使わなくなったけど、肌の調子はよくて、カサつくなどほとんどない。楽だしもうダブル洗顔には戻れないなあ。

帰ってから作れるおかず 200

本当に「帰ってから作れ」て、「おいしい」レシピしか載っていないので、私はこの本のおかげで料理が苦痛じゃなくなりました。

 

この頃の私の料理といえば、

■この本を参考に「おいしそう」「作りたい」レシピから、いくつかピックアップ

■ピックアップしたレシピに登場する食材を週1のお買いものでまとめ買い

■肉や魚は買ってきてすぐ冷凍

■ピックアップしたレシピから、次の日に作るものを選ぶ(レシピがだいたい2人分なので、3人家族の我が家は、2レシピ選ぶことが多い)

■冷凍してあった、肉や魚で必要なものを前日の夜に冷蔵室に移動させる

■次の日、帰宅したら子どもにテレビを見せている間に料理

という流れに。

 

作り置きが流行っているので、私も一時は取り入れていましたが、割とすぐ飽きてしまったけど、このレシピ本を使った料理は自分に合っていたようで、まだまだ続けられそう。200レシピ、全部作るのがとりあえずの目標。

 

ちなみに「帰ってから作れる」レシピとは

■ふたして煮るだけ

■肉を焼くだけ

■チンして焼くだけ

■フライパンひとつ

■素材3つまで

■15分以内

■ワンプレート

■調理器具を上手に使う

と、工夫が盛りだくさん。この本をつくった人はスゴイ!

値段も750円と破格。こんなに使えるレシピ本はほかにないと思います。

 

育児や仕事に追われて、料理のモチベーションが下がっている人、料理なんて好きでもないのに家族のために仕方なくしている人に、ぜひオススメします。

 

 

3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法

主婦歴20年、3人の子供を育てつつ、仕事もしている尾崎友吏子さんが、効率よく家事をこなしつつ、子どもにもゆとりを持って接することができるほど、快適に暮らす方法を模索し確立するまでを、詳細に記した本。

 

著者の尾崎さんという人には「スゴイ」の一言に尽きます。お子さんを3人も育てる忙しい日々の中でも、諦めずに試行錯誤を積み重ねて、最高に効率よく、家事を回す方法を確立する、その姿勢。

 

快適に暮らすには、自分にとって何が快適で何が不快なのか、何が必要で何が不必要なのか、いつもいつも自分に問い聞かせて、その感覚を研ぎ澄ますことが何より大事なんだな、と気付かされます。

 

私も、主婦歴丸6年で、少しずつ、効率よく家事ができるようにはなってきた気がしますが、この本を読んで、自分の家事のまだまだ非効率なところが炙り出されたので、主婦歴20年の50歳までに、もっともっとブラッシュアップしていきたい!と、火が付きました。

 

また、尾崎さんの経歴にも惹かれます。私もいつか、2級建築士を取りたい、中古マンションをリノベーションしたいな、って改めて思いました。

万寿子さんの庭

 20歳の主人公・京子と78歳の万寿子さんというおばあさんが半世紀の年齢差を超えて「友達」になる様子を描いた小説。

初対面なのに「斜視」である京子にいきなり「寄り目」だ「ブス」だの、ズケズケ言ってしまう、チョット風変わりな万寿子さん。

いろんな嫌がらせを受けて、怒り心頭の京子だったが、この「普通じゃない」万寿子さんとのやりとりを通じて、意外にも2人は友達になっていく、、というあらすじ。
大人になれば、持病とか、見た目の話とか、勤務先企業名とか、出身大学とか、誰かの「コンプレックス」に繋がるようなことは、普通、話題にしなくなる気がします。
でも、万寿子さんと京子のやりとりや、京子とほかの登場人物とのやりとりを読んで、そういう気遣いが人の心に壁を作ってしまうんだな、と気づかせてくれる本でした。
ここ1年くらいで、ようやく自分のことを素直に人に話せるようになってきたような気がする私。引き続き、自分の心に嘘をつかずに生きていきたいな、と思ったのでした。

京子の母親は白血病で私と同じ病気で、京子が子ども時代に亡くなるという設定。更に、主人公も斜視という悩みを抱えている。病気を抱えた家族がいる世界はどういう世界なのか、フィクションだけど、読んでいるとリアルに想像ができる。病気を抱えていきているのは、私だけじゃない、と勇気が出てくる。

いわたさんが私に伝えたいことがなんとなく、わかってきたような気がする。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)のV字回復の裏に存在した「数学マーケティング」について、詳細に書かれた本。著者はUSJでチーフ・マーケティング・オフィサーを務めた森岡毅さんと、USJのシニアアナリストの今西 聖貴さん。

森岡さんは元P&G世界本社のブランドマネジャー、USJに入社後、集客数を5年で660万人も増やしUSJを日本一にしたのは有名なお話です。一方、リサーチャーで需要予測家の今西氏は元P&G世界本社の最高頭脳の一人として、世界の第一線で活躍したそう。

本著の前半は、選ばれるブランドになるためには何が大切なのか、数学マーケティングを使って辿り着いた「正解」が紹介されます。

数多くあるマーケティングの本の中で、その主張を確かにする根拠がここまでしっかりと示されたものって、ほかに見たことがないように思います。森岡さんによれば、その正解を追い求めることだけが、企業がやるべきことだと明言されています。

紹介される数式はやや難しいので、文系の人にはすぐには理解できないと思いますが、その数式を補うように、たくさんの文章での説明もセットになっているため、読むだけでその「ニュアンス」はなんとなく理解できると思います。それをどう自分のビジネスに応用するのか?を、それぞれ考える必要がありそうです。

8章の「マーケティングが機能する組織」というところは、中でも私の心をかき乱す章でした。森岡さんによれば、マーケティングが機能する組織にするために多くの経営者はたくさん「誤解」しているとか。

「抜群に優秀なマ ーケタ ーを 1人雇えれば 、自社の経営は大きく改善するはず」と思っているが、「組織システムとしてマ ーケティングをインスト ールしない限りは 、ほとんど意味がない」。また、「その強力なマ ーケタ ーが広告や売り方を改善するという狭い領域のみで 、経営者にとって都合よく活躍してくれるだろうという間違った期待」を持っている。結論としては、「会社の重要な意志決定を消費者の代理人であるマ ーケタ ーに委ねる覚悟もないのに 、消費者プレファレンスにおいて勝ちにいく会社を夢想するのはやめた方が良いということです」。

さらに、「マーケティングデ ータの質が高くとも 、それを分析して活用しようとするマ ーケティング実務担当者側に問題があったのです 。エンタ ーテイメント企業の文化でしょうか 、マ ーケティング実務担当者の傾向として 、次から次に新しいものをやることに興味と情熱が湧きます 。しかし 、終わったことをきっちりと分析して 、学びを抽出して次に活かすという姿勢が 、当時は不足していたように見えました 。」「意識改革のために 、それを 『やりっぱなし文化 』と名付けて 、マ ーケティング組織からの撲滅を目指したのです。」と続きます。

点数の悪いテストを振り返るのは、小学生でもイヤなこと。どんな組織でも、失敗は闇に葬りさられる傾向にあることがよくわかります。

森岡さんはこの本の最後に「日本人は 、もっと合理的に準備してから 、精神的に戦うべき」と言います。この本を執筆したのも、USJで実践した「勝ち方」を惜しげもなく紹介することで多くの日本人に参考にしてもらえれば、日本全体の「勝率」があがるはず、という信念があったからだそう。この姿勢にもすごく感動します。森岡さんはまだ43歳だそうなので、USJを離れたあとは、日本の「プレファレンス」を上げるために、活躍していただけたらなあと思います。

顔をあげて。そばにおるで。~尼崎市の就労促進相談員の仕事~

著者は兵庫県尼崎市で「就労促進相談員」をしていた林美佐子さんという人。就労が可能な年齢(15歳~64歳)で生活保護を受けている人たちに、働いてもらえるようにさまざまなサポートをするお仕事だとか。

 

以前にケースワーカーの人の仕事ぶりを紹介した本「実録! 熱血ケースワーカー物語」を読んだことがあるので、生活保護受給者のサポートをする市役所で働く人たちの仕事ぶりについてはなんとなく把握していたのですが、「就労促進相談員」の人たちは、そのケースワーカーの人たちと連携しながら市役所で働くスタッフではあるが、手取り月給15万ほどの契約社員だそう。

林さんは二人のお子さんを育てるシングルマザーでもあり、収入も多くないため、ご本人も社会的には「弱者」に分類されるのでは、と本書にも記してありました。

 

生活保護といえば、落ちるところまで落ちた人がもらうもの、というイメージがありますが、病気やけがである日突然働けなくなることは誰にでもあるものだからこそ、市役所に相談できる窓口があったり、相談できる人がいるということはすごく大切なことだよなあ、とこの本を読めば心から思います。

 

病気やケガで、どうしようもない気持ちを抱えている人、「どうして自分だけこんなにつらいんだろう?」みたいな気持ちが頭から離れなくて落ち込んでしまう人は、読んでみると気持ちが晴れるかもしれません。私も、子どもがまだ赤ちゃんだった頃に父がなくなり、母がうつ病になり、自分も白血病になって、「なんで自分ばっかりこんなに辛いんだろう?」とよく暗い気持ちになっていました。この本の中には、もっともっとすごい状況でも、前向きに生きている人がたくさん登場します。不幸とは人と比べるものではないけれど、それでも、「生きていればいろんなことがあるよなあ」と、狭まった視野を広げてくれるのではないでしょうか。