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万寿子さんの庭

 20歳の主人公・京子と78歳の万寿子さんというおばあさんが半世紀の年齢差を超えて「友達」になる様子を描いた小説。

初対面なのに「斜視」である京子にいきなり「寄り目」だ「ブス」だの、ズケズケ言ってしまう、チョット風変わりな万寿子さん。

いろんな嫌がらせを受けて、怒り心頭の京子だったが、この「普通じゃない」万寿子さんとのやりとりを通じて、意外にも2人は友達になっていく、、というあらすじ。
大人になれば、持病とか、見た目の話とか、勤務先企業名とか、出身大学とか、誰かの「コンプレックス」に繋がるようなことは、普通、話題にしなくなる気がします。
でも、万寿子さんと京子のやりとりや、京子とほかの登場人物とのやりとりを読んで、そういう気遣いが人の心に壁を作ってしまうんだな、と気づかせてくれる本でした。
ここ1年くらいで、ようやく自分のことを素直に人に話せるようになってきたような気がする私。引き続き、自分の心に嘘をつかずに生きていきたいな、と思ったのでした。

京子の母親は白血病で私と同じ病気で、京子が子ども時代に亡くなるという設定。更に、主人公も斜視という悩みを抱えている。病気を抱えた家族がいる世界はどういう世界なのか、フィクションだけど、読んでいるとリアルに想像ができる。病気を抱えていきているのは、私だけじゃない、と勇気が出てくる。

いわたさんが私に伝えたいことがなんとなく、わかってきたような気がする。