結婚相手は抽選で

ニュータウンは黄昏て」が面白かったので、同じ著者の本を続けて読む。

この本はなかなか衝撃的なタイトル。25歳から35歳の独身者は国があてがった人と強制的にお見合いして、2回断ると自動的にテロ撲滅隊に入隊しなければならない、というルールで国を挙げての結婚プロジェクトがスタート!というところから物語が始まる。

強制的な制度を前に、あぶり出されるいろんな事柄が面白い。

登場人物の女性の多くは、母親からいろんな意味でいい年しても「縛られている」。私も元「縛られてた」からよくわかる。母親との関係性って生まれたときから始まってて当たり前すぎるので、その関係性に問題があることを当事者も自覚しずらい気がする。だからこそ、人生がうまくいかない原因やなんだかイライラしてしまう原因になっていてもわからぬまま、母親と一緒に過ごしている女性は多いのではないだろうか。

登場人物の男性の多くは、女性経験がほぼなくて、メディアが伝える女性像を鵜呑みにしている。これもすごくリアル。

どちらも今の日本が抱えている小さな課題のような気がして、それをうまく表現しているこの作品がすごいな、と感じた。