発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

面白かった。
面白い本は内容もさることながら、その文章力や表現力も必要なんだな、と改めて知らされた気がする。2018年でピカイチ面白かったかも。

内容としては、
発達障害を抱えた著者の「借金玉」さんが、32歳で、どのようにして、イチ社会人として、奮闘できるようになったのかが、具体的に書いてあるものでした。

最初に出てくるのが「鞄の選び方」だから、いかに具体的な内容の本であるか、わかってもらえると思います。

そのほか、服薬中の薬のことや、休息の取り方、発達障害の二次障害である「うつ病」になったときのことなど、体験者だから語れるリアルな描写に引き込まれてしまう。

発達障害の方の特徴も、色々と書いてあって、

・感覚が過敏
・光や音に弱い
・外界からの刺激に弱い
・雑談が苦手
・共感性が低い
・好き嫌いが激しい
・衝動性が強い
・茶番だと感じるとバカバカしくてできない

など、自分にも当てはまることが多々ある。

私自身、10代の頃は生きづらいと感じることが多かったが、社会人になってから、少しずつ、「発達」してって、随分まともにはなったような気がするが、若い頃はコミュニケーションに自信なかったし、かなり危うかったなあ、と思う。

実際、発達障害というものは、境界が曖昧なようで
発達障害と診断されていない人でも、発達障害的な特徴をひとつふたつもっていてもおかしくなくて、そのために社会適応に四苦八苦していてもおかしくない、と巻末の精神科医の先生の解説に書いてあった。

金玉さんは新卒で金融機関に入って、まったく適応できずにすごく苦労して、2年で退職したそうだけど、金融機関での様々なエピソードを読むたびに「私も金融機関は新卒のときにリクルーターに会ったりしてたけど、入社しても絶対うまくいかなかっただろうな」と何度も思った。金融機関に就職しなくて、よかったよ。

この本は、少しでも「何故だか人生うまくいかないな」って思ったことのある人にはぜひ読んでほしいです。